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2020年上半期映画ベスト10


2020年上半期映画ベスト10


2020年はコロナの影響で45月と映画館に行っておらず、合計22作品。その中から10作品も選んだらほぼ半分じゃねえかという気持ちはあるけど、個人的には結構打率が良い年だったと思う。よく考えたら、去年も「今年は打率良かった」言ってた気もするし、来年も言いそうな気もする。ともあれ、半分くらいは年間ベスト10入りしそうなので各作品のコメントは短めにします。(物好きなひとは各記事読んでね) では。公開日順です!


『パラサイト 半地下の家族』

好き嫌いはあれど、今年を代表する作品は何かと言われれば大本命ではないだろうか。やはりアカデミー賞効果は大きくて、僕もそこまで映画好きじゃないひとと本作について話したし、チャパグリを作ったりもした。生活に影響を与えたという点では一番かもしれない。テーマが社会派でストーリーが面白いから、真面目方面でもおふざけ方面でも話したくなるポイントが多いのよね。当然コチラのページの方向性としては、今一度、奥様派か娘派か決着つけることを提唱したいところだけど、公開当初に比べてどんどん長女人気が高まったのは、やはり一般層とオタクの趣味の違いを感じないこともなく......。ちなみに一般層になれずオタクにもなりきれないひとを「半地下」と言うそうです(嘘です) 黙れ、小僧!誰か僕を救ってくれ。

『パラサイト 半地下の家族』感想 【ネタバレあり】

『パラサイト 半地下の家族』感想 貧困、格差、断絶。韓国を世界を取り巻く社会問題を描く隙のない傑作。会話劇とか笑えるけど途中からの展開がもう全然笑えない。これはコメディなのかホラーなのか。メッセージ性もさることながら圧倒的な画面の力強さと美しさよ。強い映画だ#パラサイト半地下の家族 - オガワヘヴンリー (@k_ogaga) January 11, 2020 ...
ふつうに美味しいのでおすすめ。豪雨の日に食べると雰囲気がでます

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『ラストレター』

夏休み、雨、手紙と小説。あの日の眩しさも、湿気を帯びた後悔も。この作品にはひとの感性を刺激する匂いがする。しかし、いい年齢になった大人が高校時代の恋を引きずっているなんて気持ち悪い......と言われたら、まあ、その、ぐうの音もでないのである。ちなみに鑑賞当時の僕の感想はといえば

うむ。気持ち悪いですね。井上陽水に聞かれるまでもない。真面目な話、この美少女ふたりも最高なんだけど、“死んだ姉のふりをして、かつて恋した先輩と文通する”という冷静に考えると結構やばい話を、コミカルかつ少ししんみりな雰囲気に成り立たせてる松たか子がすごい。あと、これは全然関係ないけど、森七菜って「もりなな」より「もりななな」のほうが語感よくない?

『ラストレター』感想 レビュー

「お姉ちゃんのフリして手紙書いてたら、お姉ちゃんの人生がまだ続いているような気が、ちょっとしました」 この日々がずっと続くように思える夏。だけど、いつかは終わってしまう夏。 ...



『ジョジョ・ラビット』

年間優勝候補。オープニングの皮肉から最後の希望まで、全編に愛しさと切なさと心強さが溢れている。「アホなこと言うね~」と口ずさんでしまう僕はハッチポッチ世代。子供目線で描かれる戦争、大人組のユーモアと優しさ。最高のスカヨハ。昨年の『マリッジ・ストーリー』といい、こんなスカヨハを見せつけられたので「アベンジャーズもっと見せ場作れなかったのかよ、ああいう見せ場じゃなくてさ......。」と、僕のイマジナリーフレンドも言っています。そういえば本作も『マリッジ・ストーリー』もどちらも靴紐映画でしたね。ドイツが舞台なのに英語という意見に関しては、それも含めて皮肉なのではというのが半分、外国語はたいていどれも同じに聞こえて正直あまりよくわからないというのが半分です。

『ジョジョ・ラビット』感想 レビュー

(C)2019 Twentieth Century Fox I wanna hold your hand ...
配信開始してます!

ジョジョ・ラビット (字幕版)



his

卵料理で何が好きかと聞かれたら、僕はサンドイッチによくある“ゆで卵を崩してマヨネーズと混ぜたあのたまご”が好きなんだけど、最近普通のだし巻き卵をサンドイッチにするパターンが出てきて、たまごサンドに変わる言い方を考えなきゃって思ってるのね。そんな今作では、名前的にも雰囲気的にも魚料理っぽい宮沢氷魚くんがひたすら卵料理を作ります。キッチンが低くて大変そうなのがまた良い。宮沢氷魚には卵感ないけど、共演の松本穂香はゆで卵っぽくて、松本若菜はスクランブルエッグって感じ。藤原季節はわんぱくな目玉焼きかな。『愛がなんだ』で登場人物ごとにビールを選んでいた今泉監督なので、そのくらいの裏設定は考えてそう。


37セカンズ』

冒頭から気合と覚悟を感じる。生々しさを隠さない生活の様子にナイーブな性の問題。低い視線はきっと車いす目線なのだろう。そこから世界が変わっていく様子が眩しい。後半すこし唐突で散らかったように思える展開も、なにかが起こる時はきっといつだって突然なのだ。紫ウィッグの萩原みのりさんはそりゃもうどちゃくそミラクル可愛いのだが、本作の主演である実際に脳性麻痺を抱えている佳山明さんが、演技初挑戦ながら、世界が拡がるにつれ生き生きとしていく過程を、全編ほんとうにいい表情をして表現しているのが印象的だった。


1917 命をかけた伝令』

全編ワンカットかと思いきやそうではないらしくワンカット風とのこと。手作り風みたいなもんです。しかし全然継ぎ目わかんないYoutubeでメイキング見ても全然わかんない。カメラを止めるな!というよりはダンケルクという話で、まるで彼らと共にしているかの如く緊張が伝わってくる。おそらく、彼らも彼らで撮影中は絶対ミスが許されないプレッシャーと戦っていて、その緊張がこちらにも伝わったのでは...って、だから一発撮りじゃないんだった。IMAX推奨な超映画館映画なので自宅鑑賞組がどういう反応になるかは気になるところ。構造的に回想がないというのは結構新鮮。


『初恋』

「余命わずかな窪田正孝」という間違いなしの設定に、三池監督@仕事断らない が、わりと好き放題キャラもギャグも血もバイオレンスもぶち込んで、最終的に全部ベッキーにもっていかれる。マジベッキー超ベッキー。フラットした気持ちがシャープになる。名前の後ろに#をつけるのがハッシュタグの始まりと言われています。とまで書いたところで、ベッキーの歌手名義は「ベッキー#」ではなく「ベッキー♪」だった気もしてきた。まあどちらでも良い。今年屈指のエンタメ作品となりそうだが、タイトルは絶対『初恋』これはどう考えても初恋。あと忘れてはいけないのが最強の撮影協力。この映画とあの場所には、いろんなものが揃っている。


『許された子どもたち』

僕はどの視点で見ていただろうか。ひとを殺した少年、その親、被害者家族、面白がる同級生、ネット私刑。どの立場にも共感しつつ、別の立場から見ると悲しみや憤りを覚える。本作にカタルシスも良心もない。あるのは暗黒なまでの現実。主演の上村侑の眼差しは柳楽優弥を思い出させるし、今作を見てからボーガンがとても強そうな武器に思える。しかし我ながら映画館自粛明け一作目に本作を選んだのはどうかと思う。思い出すだけで暗い気持ちになるので、あらびき団で見た『T-BOLANを知らない子供たち』でも聞いて元気だすかなと思ったけど、削除されてたので悲しみの子供たちになっています。

『悲しみの子供たち』 / Maison book girl



『ストーリー・オブ・マイライフ / わたしの若草物語』

2018年のベスト映画が『レディ・バード』だった僕は今作に関してはもはや見なくてもランクインしてるまである。“マイ”に“わたしの”ってどんだけ「私の」な邦題なのかと思っていたけど、本当ぴったりのタイトルですね。全ての人に様々な幸せを提示して生きる強さをく現代的テーマを描きながら、スクリーンに映るのは、美女(長女)、美女(次女)、美女(三女)、美女(四女)、そして美女()に超美男(シャラメ)と眼福映画でもある。眼福と言えば、男性的なシアーシャ・ローナンの服装とか、シャラメくんのなんで君はそんなシャツを華麗に着こなせるのだバルーンスリーブとか、衣装の美しさがやばい。あと、エマ・ワトソンの長女感は異常。少し祝祭を思い出した人は正直に手を挙げるように。

『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』 感想垂れ流し

『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』 「私の少女時代が終わってしまう」 いやはや。スクリーンに映るのは美女(長女)、美女(次女)、美女(三女)、そして美女(四女)。さらに美女(母)と続いて、美女より麗しい美男ですね。つまり超眼福映画だ!という冗談を言うのが憚られるくらいに、洗練されて、だけど暖かみを感じる映画である。 ...
こちらも最高なのでぜひ!

レディ・バード (字幕版)



『はちどり』

『パラサイト』がチャパグリ映画なら、『はちどり』は超チヂミ映画である。頬張る姿がなんでこんなに心動かされるのだろうな...。予告編からして好きな作品である予感はあった。思春期の悩み、誰かに触れて世界が変わる。なんて繊細で美しいのだろう。しかし、そこに94年の韓国の現実が影を落とす。明らかな善人も悪人もいない。強そうに見えるひとにも弱さがある。そんな多面的で複雑な人間の内面や感情を背中と眼差しで語るのだ。劇中に韓国の当時流行した歌が流れるシーンが結構あるので本国の人はより楽しめそう。しかし僕も年齢的には先生側なので、いつまでも主人公の少女に共感している場合ではないのよね......

『はちどり』感想 レビュー

(C)2018 EPIPHANY FILMS. All Rights Reserved. ※94年の韓国については全く知識のない状態での鑑賞です。 『はちどり』感想 ...




- 2020年上半期のヒロイン-

『ティーン・スピリット』
エル・ファニング

『パラサイト 半地下の家族』
チョン・ジソ

『ラストレター』
広瀬すず
森七菜

『ジョジョ・ラビット』
スカーレット・ヨハンソン
トーマサイン・マッケンジー

his
松本若菜
松本穂香

『前田建設ファンタジー営業部』
岸井ゆきの

37セカンズ』
萩原みのり

『ザ・ピーナッツバター・ファルコン』
ダコタ・ジョンソン

『仮面病棟』
永野芽郁

『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』
マーゴット・ロビー

『ストーリー・オブ・マイライフ / わたしの若草物語』
シアーシャ・ローナン


映画よりヒロインが多くてどうする。下半期もなにとぞ。よろしくでーす。

コメント

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