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『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』 感想垂れ流し




『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』

「私の少女時代が終わってしまう」

いやはや。スクリーンに映るのは美女(長女)、美女(次女)、美女(三女)、そして美女(四)。さらに美女()と続いて、美女より麗しい美男ですね。つまり超眼福映画だ!という冗談を言うのが憚られるくらいに、洗練されて、だけど暖かみを感じる映画である。

『レディ・バード』のグレタ・カーウィグ×シアーシャ・ローナン×ティモシー・シャラメという時点で確信していたが、やっぱり大好きな作品だ。四姉妹の悲しみと喜び。戻らない日々を思い、あの時の選択は正しかったのかと悩む。過去は全て現在と繋がっていく。


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1994年版と比べると、ややお転婆な印象をうける次女のジョーを中心に、現代と過去を並行する形で物語は展開する。四姉妹×過去と現在という合計8つのシーンを飛び交うという分かりづらくなるというリスクを抱えた構成だ。

しかし、過去編は暖かみのある色に、現代編を青白い色に映し分けたり、眠るタイミングで切り替えたりとわかりやすくシームレスに捉えられるよう工夫が施されている。

そもそも、始まりから圧倒的に映像で語る作品なのだ。出版社内での背中、そして男性ばかりの人混みの流れを逆らうように駆け抜けていく姿。これは女性の物語。

ジョーは自由を求めている。あの時代に求められてしまった女性らしさを払拭するかのごとく、名前は勿論服装もどこか男性的な印象だ。対照的に姉妹と出会う裕福な青年ローリーが纏うバルーンスリーブなシャツはやっぱり少し中性的にも見えて、ジョーとローリーは合わせ鏡というか、同じような存在とも感じる。

「女の幸せが結婚だけなんておかしい。でも、どうしようもなく孤独なの」

ジョーが劇中でこんな言葉を残す。勿論結婚が幸せの全てではない。しかし、才能がありながら家庭を選ぶことが不幸せでもないはずだ。それはジョーも分かっている。それは、分かっているのだ。

本当の意味で「自分らしく」幸せに生きるとはどういうことか。もっとも、それがわかっていれば苦悩することも少ない。

ひとはアンビバレントな想いを抱えている。今作でいえば、少女時代を終わらせたくない、大人として自立したい。自分の夢を叶えたい、みんなの願いも叶えたい。

生きたいように生きられない、すれ違う愛。だけど変わらぬ姉妹の絆。

愛に生きるため貧乏を受け入れる長女、夢のため恋愛を諦めた次女、人助けの結果自分が病にかかってしまう三女、地位とお金のために自分を捨てる四女。それぞれの目指す幸福と犠牲。人生の転機と選択。どうにもならない現実と、それでも手を伸ばす力強さが眩しい。そのひたむきさと真摯さが胸を打つ。

青白く映されていた現代編も、いつか暖かい色味で振り返ることが出来る日が訪れるだろうか。酸いも甘いもどちらも美味しかったと言えるだろうか。

これが人生、わたしの人生。誰のものでもない。

『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』"わたしの"物語があって、"彼女の""彼の""あなたの"物語がある。納得の邦題。すべての価値観と幸せを許容する、愛に溢れた傑作。



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