スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

12月, 2018の投稿を表示しています

2018年ベスト映画

2018 年もあとすこし。今年の感想は、今年のうちに。核心はついてないけど、物語には多少触れているので自己責任でよろしくでーす。 2018 年ベスト映画 1. 『レディ・バード』 2. 『ペンギン・ハイウェイ』 3. 『スリー・ビルボード』 4. 『タクシー運転手 約束は海を越えて』 5. 『累 - かさね - 』 6. 『判決、ふたつの希望』 7. 『リズと青い鳥』 8. 『 A GHOST STORY / ア・ゴースト・ストーリー』 9. 『バッド・ジーニアス』 10. 『若おかみは小学生!』 1. 『レディ・バード』 昨年が『スウィート 17 モンスター』なら、今年は絶対に『レディ・バード』だ。ああ愛しいレディ・バード。たまらないなレディ・バード。閉塞感溢れる田舎の高校からニューヨークへの進学を夢見るクリスティン。いや、自称レディ・バード。友達にもそう呼ばせる痛い主人公を演じるシアーシャ・ローナンは、 17 歳役にしては貫禄がありすぎるのでは、と思わないわけではないが、多感な時期の女子高生を見事に演じきったと思う。本当に女子高生に見えてくる不思議。田舎の閉塞感、そこから脱したい、何者かになりたい。だが何物にもなれていない。大人が皆通った思春期の、モラトリアムの通過儀礼ではあるけれど、当の本人からしたら大問題なんだよな。映画としてみれば、そんな劇的なことは起こっていないかもしれない。だけど、レディ・バードには、あの頃の僕らには、そのすべてが特別で大切だったのだ。友人、両親。離れて、失って気づく大切さ。怒涛のような高校最後の 1 年間をハイスピードでテンポよく、ギャグも交えてちょっぴりしんみりするバランス感覚。ラストシーンの余韻も最高。明らかに綺麗なレディになったシアーシャ・ローナンのカットを見て、青春の終わりを実感する。こじらせた人(僕)には、間違いなく刺さる本作。シアーシャ・ローナンだけじゃなく男性陣も良くて、ルーカス・ヘッジスは泣かせてくるし、今をときめくティモシー・シャラメくんは明らかにモテるいい具合のクソ男でオススメ。しかし、父親よ。母娘が大喧嘩してる横でソリティアやるのは良くない。 2. 『ペンギン・ハイウェイ』 森見登美彦好き、原作好き、そしてペンギン

2018年下半期ベスト映画

下半期最大の話題作は『カメラを止めるな!』だよな~と公開日を調べたら 6 月末で、あれ?上半期じゃないか、となりましてね。まあこの手のベストを決める際のあるあるですね。見た日にすべきか、公開日にすべきか。それが問題だ。僕はカメ止め 7 月に見たので、上半期にも入れれず、下半期にも入らない。谷間の作品を生んでしまった。だが選考は止めない!下半期ベスト 10 発表!と言いたいところだが、見た数があまり多くないので、上半期同様 8 本に。前回の踏襲、前例通り。甘美な響きだ。しかし、ここであんまり熱く書くと、年間ベスト編で書くことがなくなるので、手短に。 2018 年下半期の 8 本 ( 順不同 ) 1. 『ペンギン・ハイウェイ』 2. 『判決、ふたつの希望』 3. 『閃光少女』 4. 『累 - かさね - 』 5. 『若おかみは小学生!』 6. 『バッド・ジーニアス』 7. 『 A GHOST STORY / ア・ゴースト・ストーリー』 8. 『シュガーラッシュ:オンライン』 以下、ひとこと 1. 『ペンギン・ハイウェイ』 僕が森見登美彦好きで、原作も好きで、ペンギンも好きなのを差し引いても傑作だったと思う。少年の成長と世界の不思議。原作の手触りを残してエンタメとして仕上げた作品。アニメ化して本当に良かったです。俺はもう既に Blu-ray も既に予約している … ! 2. 『判決、ふたつの希望』 レバノンとパレスチナの対立問題、難民問題というテーマを、分かりやすく、そして映画として面白く見せる作品。知識がなくても普通に観れるよ。最後の清々しい余韻はきっと希望。 3. 『閃光少女』 中国の青春ラブコメ映画。ヲタク趣味と伝統楽器専攻のマイノリティ具合の親和性。みんなで手を取り、好きなものを曲げずに突き進み最後は大円団!爽やか!音楽対決シーンは圧巻!あと、しゃぶしゃぶが食べたくなります。 4. 『累 - かさね - 』 見くびっててごめんなさい土屋太鳳と土下座したくなるほど、最高の土屋太鳳。この役は土屋太鳳しかできない。少女漫画の実写ヒロインしかしないじゃんと思ってる人にこそ見てほしいんや。土屋太鳳と芳根京子の 1 人 2 役 ×2 人の掛け合

『シュガー・ラッシュ:オンライン』感想

(C)2018 Disney. All Rights Reserved. 『シュガー・ラッシュ : オンライン』 そろそろ年間ベスト 10 を考え始める僕たちに、ディズニーは本気の作品を投げてきた。『シュガー・ラッシュ : オンライン』、僕が子連れの父なら、きっと、とんでもないことになっていたと思う。 プリンセスの大集合や SW やマーベルもでるよ!と話題の本作。予告でも「ここまでやるかディズニー」と言ってたけど、本当に結構やってたぞ! 企業ロゴとかはわかりやすいけど、検索エンジンとかネットスパムとか青い鳥とかは少し大人向けのギャグだし、ディズニー自虐ネタなんて完全に大人向け。 ( メリダ。笑 )  加えて、カッコいいレーサーの吹替が、ガル・ガドットとかワイルドスピードじゃんか! みたいなの含めたサブカル寄りの小ネタまで散りばめている。ファミリーだけじゃなくサブカルまで相手にし始めたディズニーさん強い … しかし、企業ロゴとかキャラの登場って、時事性を持たせる事になるので、どうしても数年後も同じ価値観と言いづらくなってしまうわけで。でも、それでも、この時事性で、この時代だからこそ、「今」だからこそ、この映画を作った意気込みを感じるのだ。 ディズニープリンセスに、「男に守られてると思われているからプリンセス ! 」的なことを言わせる痛烈な皮肉。ある意味で、プリンセスを通じて、今日までの女性像を生んで、育ててきた側面もあるディズニーが、これからの生き方、多様性を提示する物語。 今作では、きっと今まではプリンスが登場したタイミングで、王子もラルフも登場しない。煌びやかな場所で歌うわけでもない。でも、自分が、そうなりたいと選んだ道なら、それで良いのだ。そう考えると、最後あんな格好になったラルフも、体の大きな男だからといって、誰かのヒーローである必要もないのだと。実に示唆的である。 ゲーム存続のために宝探しの旅をすることから始まる物語は、いつしか自己を内面を探す物語へと変貌する。 その行動は本当に自分のためではなく、相手のことを思った行動か。相手を思って起こした行動が結果的に相手を苦しめた場合、それは優しさと言えるのか。結果として自分にとって迷惑な行いで

『アリー/ スター誕生』感想と推してるものは表明したほうがいいなという話

(C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC 『アリー / スター誕生』 『グレイテスト・ショーマン』、『ボヘミアンラプソディ』と音楽映画に溢れた 2018 年を締めくくるぞ。個人的には、世代的にレディー・ガガはわりとドンピシャで、最近は聞かなくなってしまったけれど、以前ライブに行ったこともある。この作品の初期の頃の予告編が好きで(最近全然見ないんだが、日本語ナレーションなしのやつ)結構高い期待値で見に行きました。ちなみに同名の過去 3 作は未鑑賞。 これは、ガガの圧倒的才能にひれ伏す映画だ! 成功と挫折という王道展開ながら、思いのほか暗い! 切ない! ガガの演技は結構自然で、あれ? これ自伝だっけ? と勘違いしそうになるけど、歌に感情乗りまくりで台詞より雄弁で、やっぱりこの人は歌手なのだな ...... 。と思い直す。特に本作のハイライトである「 Shallow 」 (CM で流れているあの歌 ) のシーンで、歌い出しから感情が移り変わっていくのとか珠玉。歌唱表現だけで、不安や覚悟、そして開放と覚醒を歌いきる。もうここがフィナーレでも良いくらいのシーン。 「アリー」と邦題についているけど、結構ブラッドリー・クーパー演じるジャックの話でもある。主演だけでなく監督、脚本も務めるブラッドリー・クーパーが、ただのイケメン俳優だと思っていたのに、なーんか渋みが増しるし歌っても格好いいし、お洒落な画とか撮るようになってて驚き ( そういえば『アメリカン・スナイパー』もやってたか ) 。話自体も、過去作があるとはいえ、歌を交えながらテンポよく出会いまで進めて、物語への導入が比較的すっと出来たかと。とはいえ、まあ正直なところ、後半詰め込みすぎてダレることは否めないんですけど。 このアリーは、かつて実力はあるのに容姿を否定された苦しんだレディー・ガガと重なるリアリティがあるし、それと同時に普段のステージとは違う、生の雰囲気を見せることで、別ベクトルのリアリティを出しながら、「レディー・ガガ」から距離を置くことに成功している。また、アリーとジャックの顔面アップのシーンが多いのだが、接写によって、そ

『メアリーの総て』感想

(C)Parallel Films (Storm) Limited / Juliette Films SA / Parallel (Storm) Limited / The British Film Institute 2017 『メアリーの総て』 今年最後のエル・ファニング作品ということで、エル納めしてきました。公開劇場少なめでしたが、これは見に行かねばとね。決してシネフィルで、「エル・ファニング初めて挑んだ本格ベッドシーン」記事を見つけたからではないのよ! 断じて! 1800 年代が舞台ということで、当時を意識した衣装や美術が美しく、またそれを纏うエルファニングが美しい。全体的な暗めな画面も、エル・ファニングが持つ憂いと相性 ◎ なんとも言えない閉塞感がででます。 天才的な両親を持ち、クソみたいな男ばかりが周りにいるメアリーが、「自分の声」を見つけるまでの物語。本当に悪い出来事とクソ男エピソードがテンポよく、ぽんぽん出てきてくる。いやぽんぽん不幸が起こってどうするという感じなのだが、飽きさせない。不幸の大渋滞。不幸というか本当にクソ野郎。(まあ、いいやつと思える時もある) あ~もうそんなクソ野郎の言うこと真にうけちゃ駄目だよ…。あー。もうほらー。みたいに思えるのは、僕が観客席から見ているからで。けれどあの時代で、女性として、あの空気の中生きる 16 歳と考えると、この選択肢しかないのかな … 選んじゃうよな … 縋っちゃうよな … つれー。と思ってしまう。だからこそ、もう終盤の宣言がもう響いて響いて。気高い。メアリーは、強くて美しい。 ( 強いといえば、ポリドリの台詞もいいよね! ) (ポリドリといえばかわいそうすぎません?) エル・ファニングは身長も高いこともあるのか、高貴な印象なんだけど、そこにたまに見せる子供っぽさの同居がたまらないわけじゃないですか。今作では、そのある種相反する魅力が、強い意志を持って生きるところと、愛を求めて恋に真っ直ぐなところが丁度上手い具合にマッチしてハマってました。あどけない 16 歳から、大人になり母になり、並みの 18 歳じゃあ経験できないことを経て、創造する苦難を越え、社会に対峙していく。これはエル・ファニング適役ですよ。僕はエル・ファニング

『来る』感想

(C)2018「来る」製作委員会 『来る』 「小松菜奈は好きだ。でもホラー映画を見ることはできない」と言うと、どこからか「それでもいい。共に生きよう」と聞こえた気がした僕は、雨の中映画館へ! だが、やはりいつものようにひとり映画である。思わず「サンどこだーーっ!」と叫びたくなるけど、サンはいなくともナナはいる! そう! 僕たちの小松菜奈さんである! 基本的にショートヘアが好きな僕ではありますが、小松菜奈に関しては、短いのも超可愛いけどロングが好きかもな~迷うなぁ~セクシーなのキュートなのどっちが好きなの? んー、ロングもいいけどショートもいいねっ!派だったわけなんです。だけど今回はそれがピンク色ショート! 最高じゃないですか! オフの日っぽい無造作系のちょっとボサッとした感じがたまりませんねえ。雑に結ぶのも、また趣きがあります。 キャバ嬢霊媒師役だけど、キャバ嬢の服装では登場しません。無念。だが、衣装は基本黒系の強そうな感じで、ゆるトップスにタイトなボトム。超脚細い。そして! この衣装が素晴らしい仕事なのは、ゆるトップスなので、鎖骨がガン見えなんですよ! はいきた! いや、来る! ありがとうございます!  で、で、で! 更にですよ。なんと、初登場シーンでは、太腿 ( 内側含む ) のスーパー大サービス!!! もうね、見るしかない。キラキラしてる学園のマドンナもいいし、ある種特別故の陰がある役もいいけど、こういう悪そうなのに本当はいい子といつのもいいよね! 愛おしいよね! ちょっと半開きの口も健在で、はあもうたまらないです と、いうわけで、なんか小松菜奈超可愛い以外の感情を失ったため、まさかの軽やかなほわほわした気持ちで劇場を後にしました。なんだそりゃ。以下、映画について。 ・下妻とか嫌われ松子とか告白とか僕は中島哲也好きなので、今作もわりと好き ・怖くないとか CG が安っぽい等に関しては概ね同意 ・思ったより怖さは控えめだったけど虫が苦手なので普通に嫌。 ・映画の感想には、案外怖くなかっただけじゃなくてそういう情報を提供してほしい。 ・ホラーのつもりで見たけど、最恐エンターテインメントなのか、納得。 ・後半失速というより、むしろ前半の出来が良すぎ