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5月, 2018の投稿を表示しています

映画『恋は雨上がりのように』感想 ありがとう小松菜奈。そして脚フェチは必見

(C)2018映画「恋は雨上がりのように」製作委員会 (C)2014 眉月じゅん/小学館 『恋は雨上がりのように』 監督:永井聡 出演:小松菜奈、大泉洋、清野菜名、松本穂香、山本舞香 など 高校2年生の【橘あきら】( 17 )は、アキレス腱のケガで陸上の夢を絶たれてしまう。偶然入ったファミレスで放心しているところに、優しく声をかけてくれたのは店長の【近藤正己】( 45 )だった。 それをきっかけに【あきら】は、ファミレスでのバイトを始める。バツイチ子持ちで、ずっと年上の【近藤】に密かな恋心を抱いて …… 【あきら】の一見クールな佇まいと 17 歳という若さに、好意をもたれているとは思いもしない【近藤】。しかし【近藤】への想いを抑えきれなくなった【あきら】はついに【近藤】に告白する。【近藤】は、そんな真っ直ぐな想いを、そのまま受け止めることもできず ― 真っ直ぐすぎる 17 歳、さえない 45 歳。ふたりに訪れる、人生の雨宿りの物語。 (公式ホームページより引用) 漫画原作でアニメ化もされ、ついに実写映画化となった本作。私がこの映画に思うことは、ただただ「ありがとう」の気持ちである。 この映画を見に行く人というのは、ほぼ 小松菜奈 目当てである(偏見です。普通に原作ファンや大泉ファンなど幅広いと思う)が、そういった、 かわいい小松菜奈を拝みたいというターゲット層にしっかりと応える作品 だ。 私が覚えているだけでも、制服(夏)、制服(冬)、ファミレスの制服、部屋着(エロい)、陸上ユニフォーム、ダサいTシャツ、可愛いワンピース、部屋着(エロい)、浴衣、部屋着(エロい)、ジャージを着た小松菜奈が拝めるのだ。当然、どれも似合う。むしろ似合わない服装があるのだろうか。どの小松菜奈が一番好きか総選挙したい。個人的には結構ダサいTシャツが良い。部屋着?浴衣?そんなもん最高に決まっている。スタイリストと、ここまで幅広く衣装が着れるように様々なシーンを撮った監督に感謝したい。 そしてとにかく足の、脚のカットが多い。 山田尚子 監督作品かと間違うくらいに多い。これはあきら(小松菜奈)が陸上選手で足を怪我した役ということもある。上に記載したように、様々な服装の小松菜奈が拝めるということは、様々な脚を拝めるということ。生足、

『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』感想 自業自得というのは簡単だけど

(C)2017 Florida Project 2016, LLC 『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』 監督:ショーン・ベイカー 出演:ブルックリン・キンバリー・プリンス、ウィレム・デフォー、ブリア・ヴィネイト など 6歳のムーニーと母親のヘイリーは定住する家を失い、“世界最大の夢の国”フロリダ・ディズニー・ワールドのすぐ外側にある安モーテルで、その日暮らしの生活を送っている。シングルマザーで職なしのヘイリーは厳しい現実に苦しむも、ムーニーから見た世界はいつもキラキラと輝いていて、モーテルで暮らす子供たちと冒険に満ちた楽しい毎日を過ごしている。しかし、ある出来事がきっかけとなり、いつまでも続くと思っていたムーニーの夢のような日々に現実が影を落としていく——— (公式ホームページより引用)  フィクションとドキュメンタリーの違いとはなんだろうか。例えば、フラットな視点で撮られたフィクションと、ある側面からだけ撮られたドキュメンタリーと、どちらが真実に近いと言えるだろうか。 『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』の視点はフラットである。少なくとも僕はフラットだと思わされた。それと同時に、まるであのモーテルでひと夏を過ごしているかのような気持ちにもなった。俯瞰的な視点ではないように感じたのは、子供の目線の高さで撮られたシーンが多かったかもしれない。 賛否両論の本作だが、おそらく例の「マジカルエンド」についてと、母親がクソすぎて共感できない、という点かと思われる。そして両者共通して、演者は総じて良かったとも思っているはずで、それゆえ作品にリアリティがあったのだ。 ブリア・ヴィネイト(かわいい)演じる母親ヘイリーが、いわゆる良い母ではないことは明らかであるが、個人的にはわざと背景を詳しく描写しなかったのではと考えている。 たとえば、より悲劇的なドラマチックな話にしようと思えば、あんな暗い過去があって...云々など、この人にはこういう事があったなら、転落をしても少し仕方がないと思えるような展開が出来たはずなのだ。普通はこんな人はいないけれど、この人は仕方がないのだと。しかし、そういった個人の背景を描くことをしなかったのは何故か。いわばこの問題は、個人に原因が帰結していない。つまりは個人の問題ではない、個人

『四月の永い夢』感想 (ちょっとだけネタバレ) 最高の朝倉あき

(C)WIT STUDIO / Tokyo New Cinema 『四月の永い夢』 監督:中川龍太郎 出演:朝倉あき、三浦貴大、川崎ゆり子 など 3 年前に恋人を亡くした 27 歳の滝本初海。音楽教師を辞めたままの穏やかな日常は、亡くなった彼からの手紙をきっかけに動き出す。 元教え子との遭遇、染物工場で働く青年からの思いがけない告白。そして心の奥の小さな秘密。 ――喪失感から緩やかに解放されていく初海の日々が紡がれる。 (公式ホームページより引用) 喪服に桜。始まりの季節なのに、もの悲しく、そして非現実的な印象のポスターと予告編をみて、なにより、朝倉あきに射抜かれて劇場に向かった。 冒頭、モノローグにいきなり引き込まれる。 『かぐや姫の物語』 でも声優を務めた 朝倉あき の声は、柔らかいなかに芯がある。 薄々気付いていたが、この作品は四月の作品ではない。そもそも公開が5月だし、劇中の季節は夏である。 3年前の春に恋人を亡くした元教師の初海(朝倉あき)が、そこから時が止まったような、まるで永い夢のなかにいるような。世界が真っ白になる夢。目の前が真っ白になるような出来事を経たまま、醒めない夢を漂うような。そういった意味合いのタイトルなのだろうか。 正直に告白すると、 中川龍太郎 監督のことは知らなかったのだが、監督の前作 『走れ、絶望に追いつかれない速さで』 といい、かなりキャッチーというか言葉の強さが印象的なタイトルである。あとで調べたら中川監督は詩集も出しているらしい。 今作は、とにかく 「声」の作品 だと思っていて。前述のモノローグの朝倉あきはもちろん、共演の 三浦貴大 も朴訥としながらも、優しそうな不器用そうな低い声。そして映画のキーアイテムでもあるラジオから流れる声。BGMの代わりにラジオが使われていたのでは、と思ってしまうくらいに印象的である。もっとも、それも意図的に印象に残るように使用していたとも思う。 主人公の初海は分かりやすく閉じこもっている、世界に拒否反応を示しているというわけではない。その証拠に蕎麦屋として遅刻もせずきちんと接客もしているし、人当たりもよい。ただ、どこか立ち止まったままというか、(当然、簡単なことではないのだが)吹っ切れていないという

『アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー』(少しネタバレ)感想 衝撃の展開と安定のマーベルクオリティ

(C)Marvel Studios 2018 『アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー』 監督:アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ 出演:ロバート・ダウニー・Jr.、クリス・ヘムズワース、マーク・ラファロ など 6つすべてを手に入れると世界を滅ぼす無限大の力を得るインフィニティ・ストーン。その究極の力を秘めた石を狙う“最凶”にして最悪の敵<ラスボス>サノスを倒すため、アイアンマン、キャプテン・アメリカ、スパイダーマンら最強ヒーローチーム“アベンジャーズ”が集結。人類の命運をかけた壮絶なバトルの幕が開ける。果たして、彼らは人類を救えるのか? (公式ホームページより引用)  公開直後からファン衝撃興奮のネタバレ厳禁!という盛り上がり。開いた口がふさがりません!衝撃のラスト!という声が広がっている本作。公式のポスターにも「アベンジャーズ、全滅」との記載もある。とはいえ、本当に比喩ではなく全滅するとは思えない。だがネタバレ厳禁という状況を考えると、と半信半疑で劇場へ。 超ざっくりと言えば、アベンジャーズとは、地球を守る超人集団が悪と戦うという話(雑)だが、今作が初めてのアベンジャーズという人は、ここまで大きくなったシリーズものでは、正直何がなんだかになることが予想される。とはいえ、過去作品を全て復習するのは時間的にも体力的にも厳しい。なので、ウィキペディアや公式ホームページで検索しつつ、 ・『アベンジャーズ / エイジ・オブ・ウルトロン』 ・『キャプテン・アメリカ / シビル・ウォー』 このあたりを予習しておけばいいかと。(どちらかといえば、シビルウォー) 今作の注目は、厳密にいえば今作に限った話ではないが、なにはともあれ スカーレット・ヨハンソン である。スカーレット・ヨハンソン!俺たちの!スカーレット・ヨハンソン!今作では金髪!このスカーレット・ヨハンソン演じるブラック・ウィドウは登場する作品のたびに髪型が違うので、ファンは髪型を見て時系列を把握するのである(違います)今回は金髪ということで、よりスカーレット・ヨハンソン色が強くなり、たまらないのである。 本編はといえば、たしかに、評判通り衝撃的な展開であり、想像以上に攻めてきたなと思うと同時に、製作陣はうまい方法

『リズと青い鳥』(ネタバレあり)感想 感情は単純じゃないけど、物語はハッピーエンドがいい

(C)武田綾乃・宝島社/「響け!」製作委員会 『リズと青い鳥』 監督:山田尚子 声の出演:種崎敦美、東山奈央、本田望結 など 希美と過ごす毎日が幸せなみぞれと、一度退部をしたが再び戻ってきた希美。中学時代、ひとりぼっちだったみぞれに希美が声を掛けたときから、みぞれにとって希美は世界そのものだった。みぞれは、いつかまた希美が自分の前から消えてしまうのではないか、という不安をぬぐえずにいた。そして、二人で出る最後のコンクール。自由曲は「リズと青い鳥」。童話をもとに作られたこの曲にはオーボエとフルートが掛け合うソロがあった。「物語はハッピーエンドがいいよ」屈託なくそう話す希美と、いつか別れがくることを恐れ続けるみぞれ。童話の物語に自分たちを重ねながら、日々を過ごしていく二人。でも……。どこか噛み合わない歯車は、噛み合う一瞬を求め、まわり続ける。 (公式ホームページより一部抜粋) 僕はTVアニメ 『響け!ユーフォニアム』 シリーズが好きである。とはいっても、原作は読んでいないし、どちらかといえば正統派なスポ根モノとして視聴していた部分はある。だけど、個人的には絵柄変更に抵抗はなかった。 山田尚子 監督なので、と意識的に見ていた部分はあるが、冒頭の鎧塚みぞれ(種崎敦美)と傘木希美(東山奈央)が出会い、音楽室に入るまでの一連の流れ。ここだけでも、歩き方の違いや、カメラがブレる演出、ずっと希美のあとをついていくみぞれ、靴の履き方など情報量が多すぎる。 すべての仕草、色味、音、表現に意味があるんじゃないか。 そう思わせる、そして多分きっと意味がある映画なのだ。僕も100%理解できたとは全く思えない。しかし、素晴らしかったと宣言したい。 個人的にこの作品は、 気持ちの通りに言葉を発するわけではないし、そもそも抱いた気持ちがひとつだけ、というわけでもないよね、というのをきちんと表現している映画 だと思っている。 例えば、笑っていても内心は怒っていることだってあるし、涙が流れても悲しいのと嬉しいのとホッとしたのとで色々混じったのもある。そういう感情を、本物のようにというか正しく表現している。どうしても分かりやすく、言葉通りの感情で筋書きしてしまうことが多いけど、今作はそういったことに対する挑戦でもある。