『魔女見習いを探して』
どっきりどっきりDON DON!開始早々泣いたらどーしよ?(どーする?)
いやマジで開始早々泣いたファン結構いたと思う。おジャ魔女20周年記念作品。いや20年って。TV放送は1999年の2月から2003年の1月までの人気シリーズだけど、特に90年生まれの世代(僕)は、どれみたちと同年代。リアタイどころか一緒に小学校卒業くらいの勢いなので実質同級生みたいなもんです。今回の声優陣だと松井玲奈がどれみの一個下で1番近いのかな。
おジャ魔女20周年記念 おジャ魔女どれみ公式ヒストリーブック TVシリーズから映画『魔女見習いをさがして』まで [ 講談社 ]
僕が鑑賞した回では、同い年くらいのひとは多くて実質同窓会かと思ったし、同時にそのドンピシャ年代より下のひとも結構いたりで、ちょうど劇中のキャラクターと合致してる印象だった。
そんな、おジャ魔女世代のアラサーをグサグサ刺していくオープニング、ポップなアニメ、シビアな話。TVシリーズの最終話を考えても、どれみちゃんたちが魔法で大活躍という話ではなく、おジャ魔女を通ったひとたちへの物語というよりエールである趣だ。
そういえば今年の2月に『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』というあの頃の日曜朝黄金リレーであるデジモンも劇場版が公開されたが、あれも当時のリアルタイム視聴者をターゲットにした物語であった。ただ、あちらはあくまで劇中の登場人物が成長した世界線だが、この『魔女見習いをさがして』には一切成長したどれみ達は登場しない。明確にフィクションの創作物として扱われている。(劇中でDVDを観るシーンがあるくらい)
こちらもアラサーを殴りにきてます。
デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆
『魔女見習いをさがして』の話としては、22歳の教員志望の大学生の長瀬ソラ、27歳の会社員の吉月ミレ、20歳のフリーターの川谷レイカという、子供のころに「おジャ魔女どれみ」シリーズを見ていた3人が出会い、一緒に旅に出ることになる。
森川葵がソラ、松井玲奈がミレ、ももクロの百田夏菜子がレイカを演じるのだけど、中の人と劇中での年齢差もそこそこ合わせている感がある。決して森川葵より百田夏菜子のほうが実年齢より子供っぽいなんて話はしてません、してませんよ。しかしこのももクロ、声の感じとしてはわりといちばんおジャ魔女っぽいというか、いい具合のドタバタさが出て良かったです。
運命的に出会った3人組のこれから人生の悩みと、聖地巡礼を軸に話が進んでいく。ビジュアル的、キャラ的に、本家キャラを意識してるデザインだが、方言の子があいこ推しの反面、眼鏡の子がどれみ推しだったりする。自分を重ねるでも、自分と違うから憧れるでも良い。
というか、昨今ちゃんと個が尊重されるので、不本意に地域なり組織なりのカテゴリに組み込まれることは少なくなりつつあるけど、同時にそういった閉鎖的な環境といういわば強制的に誰か他人と交流するシーンが減ったことで、大人になってからの友達って出来にくいと思っていて(世の中の所為ではなく自分に原因があるのだが)。だからこそ、大人になって何かひとつ好きなことが同じというだけで友達になれるという、ある意味で現代的なひとの輪の拡がりが描かれていて良かったですね。
年代が近い中のひとが演じる登場人物たちは、それぞれの年齢で起こりうる悩みを抱えている。20歳、22歳、27歳。社会をまだ見ぬ者、社会にこれから飛び込む者、社会に揉まれる者。それぞれの立場のそれぞれの悩みは等身大で現実的だ。視聴者は誰かしらのエピソードに共感することができる。
まあ、3人それぞれに恋愛描写うんぬんに関しては、個人的にはレイカのエピソードは恋愛にすらなってなくて根本にあるのは父と自己の問題として、ミレさんのはコメディ要素として捉えていた部分があり、そこまで被ってる感はなかったかな、と。あと、どれみが魔法使いになりたいキッカケが告白する勇気が欲しいとかですから、外せなかったのかなという気もする。
あの頃の僕らは、魔法を使えると思っていたし、夢だって叶うと思っていた。大人になった今ではどうだろう。お酒もぐいぐい飲めちゃうけれど、もう空は飛べなくなってしまった。
僕はリアタイ視聴後に円盤や配信で見たことはなくて(カラオケの本人映像とかで見ることはあったけど)なんとなくうろ覚えだった。だが、そのうろ覚え感効果で良い鑑賞が出来たと思っている。それは聖地巡礼をしながら、記憶を巡る旅になったからだ。
覚えてないのに身体が覚えてる。ああ、この3人はそれぞれこうやって箒に乗るんだったなとか、こうやって魔法使うんだったなとか。見ると記憶が蘇ってくる。こうして思い出す体験をすることで、放送終了から十数年経ったけど、自分の中にも、彼女たちと同じようにおジャ魔女があったんだと確信が持てる。
仕事も恋も将来も。変わりたい彼女たちに、一歩踏み出す勇気をくれる呪文。魔法なんてないかもしれないけれど、たぶんもう魔法がなくても歩いていける。たしかに変わらないかもしれない。叶わないかもしれない。でもね、もしかして本当に出来ちゃうかもしれないよ?
男は黙っておんぷちゃん!
推しが被ったようなので、俺は実質三浦翔平。
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