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『同期のサクラ』レビュー 感想  面白いです。ひじょーに面白い






『同期のサクラ』


現在放送中のTVドラマ『同期のサクラ』が面白い。僕の永遠のヒロインこと橋本愛さんが出演しているという贔屓目をなしにしても面白い。ひじょーに面白い。実に面白い。面白さを表す指針ではないけれど、先日放送の4話ではついに視聴率も二桁になったと聞く。さらにさらに6日までHuluやTVerやGYAOで4話まで無料放送が決まったのも聞く。流れ、来てます。じわじわ盛り上がってきてます。ブレイブブロッサムの次の桜は『同期のサクラ』です。まだ間に合います。わたしにはスマホがあります! という君も、わたしには時間があります! という君も、この三連休にぜひとも『同期のサクラ』いかがだろうか。

※無料配信については公式ホームページをチェックだ


概要

1話冒頭で、いきなり主人公のサクラが倒れているという衝撃のスタートをする本ドラマは、脚本が遊川和彦、主演が高畑充希という『過保護のカホコ』コンビである。過保護のカホコもそうだし、過去作のユカワも『女王の教室』とか、『家政婦のミタ』とか、あと『純と愛』もか(僕は見ていないドラマを先入観やネットの口コミで否定することはしません。しませんよ)まあともかく、そういったことから、なんとなーくクセが強そうな印象があるし事実まあまあ強いのだが、今作は比較的爽やかに楽しむことができる。

2019年4月。病室で倒れているサクラを見守るサクラの同期たち。そこから過去へと遡る形で、サクラと出会った2009年の入社式からそこまでに至る10年間を、過去への回想という形で1話で1年ずつエピソードが描かれる。1話完結ながら、大きな流れとしてサクラの入院という着地点が明示されており、一度すっきりしながらも続きが気になるという構成だ。


登場人物

(公式ホームページより)

正直なところ、マイエンジェル橋本愛以外のみんなも好きな俳優であることも好きな理由かもしれない。みんな花の名前である。


・北野サクラ:高畑充希
本作の主人公。サクラは離島の生まれで建築を愛し、建築に愛され…るかは分からない。ただ間違いなく彼女はジャスティスであり、公式ホームページでは忖度しないとの記載がある。2019年時点では脳挫傷で入院中。演じるのは高畑充希。役どころとして、すこし過剰なキャラ設定なのであまり演技力うんぬんは言われにくいけれど、一瞬の顔で気持ちが全部伝わる人間らしい瞬間が毎回に1度はあり、その実力を思い知らされる。あと、放送中に必ず流れる三菱地所のCMはめちゃめちゃ可愛いので、髪型で印象って変わるんだなとも思います。


・清水菊夫:竜星涼
2話主人公。営業部所属でパワハラ上司と過剰な残業に苦しむ。けど本人は大丈夫っすって言っちゃう。たぶん、いや絶対にいい奴。爽やかで暑苦しいのが似合う竜星涼。これは定期的に言っていますが、推しりゅうせいは横浜でも藤井でもなく、竜星涼です。5人並んでわかる圧倒的頭身。溢れるいいひとオーラ。比較的幅広くいろんなことが出来そうであるが今回は正統派に適役な印象。


・月村百合:橋本愛
3話主人公でセクハラと会社での女性の立ち位置や不当なジェンダー観に憤るマイエンジェル。3話というのは2011年なので震災回。橋本愛はあまちゃんに続いて震災に遭うのか...。広報部所属で話数(年数)の経過で結構見た目が変わる。今作に限らずなんか作品ごとにちゃんと年齢まで調節しているくらい雰囲気が変わる。橋本愛さんは民法のドラマに出演するのはレアな気がするけど、本人はそんなことを全く気にしてなさそうなのが良いです。好きですねえ。あと本当に自然に会話するんですよね。だけど明らかに火力はあるので、その出し具合を適切に理解している感じがします。3話はすこし捻った展開のあとにベタな演出に泣ける。僕はあの尊い名シーンスクショしました。あとゆりちゃんは1話にもハイライトあります。


・土井蓮太郎:岡山天音
一級建築士を目指す設計部所属で4話がメイン回。物事をネガティブに捉えがち周りに壁を作りがちで上司や同僚からの嫌がらせに遭ってしまう。二浪したけど垢抜けない新社会人を全く違和感なく演じられる岡山くんの永遠の年齢不詳具合よ。鬱屈した感じをださせたらピカイチ。生感ある会話をさせても素晴らしい。言い方わるいけど非イケメン演技がうますぎる。そしていい表情をする。印象に残る具合とナチュラル具合の塩梅なのよな


・木島葵:新田真剣佑
都市開発部所属の柔らかい羽毛くらいに軽い男。綾瀬さんとかるたやってたひととは思えないくらいに軽い。ぺらぺら。予告編を見る限り、次回5話が全国のマッケンギャルとマッケンマダムが待ち望んだ主人公回だと思われる。しかし真剣佑、あの顔面力なんなの。瑞々しさが意味不明。まさにキング・オブ・キラキラネーム。軽薄さ、どこか自分を演じてる感がいい具合にでてます。ひじょーにでてます。


変化と反復

『同期のサクラ』は2009年から現在までの10年を振り返る構成だ。その中で意図的に変化と反復が描かれている気がする。スカイツリーの建設具合で時の流れを表したり、サクラの上司が読む本がその年のベストセラー本だったり。変わらず続けていくことが変化に繋がり、変化することを続けていたり。変わり続ける日々の中で、サクラは同じようなルーティンで出社し、変わらず「故郷に橋を架ける」という夢を持ち続けている

これは厳密に言えばネタバレだが、反復と言えば、4話までの構成も基本的には同じである。

1.サクラの病室で同期が過去を回想する
2.同期が問題を抱える
3.サクラが奔走する
4.サクラが挫折する
5.おじいちゃんから助言(いい言葉)が届く
6.サクラが諦めず奮起
7.同期が自分自身の問題解決
8.気になる不穏な次回への引き

前半は社会問題になった事象にフォーカスするリアリティを見せつつ、終盤は現実と地続きながら少し飛躍したドラマ的演出、躍動がある。僕はこういうのベタで好きです。

本ドラマがうまいのは、現在を舞台設定にすると「いまどきそれはないよ」と言われがちないわばステレオタイプ的演出が、比較的ナチュラルに視聴者が受け入れられることである。その年、その年ごとに、入社〇年目にぶつかりがちな壁と、パワハラ、セクハラなどの社会問題を絡ませていく。



そして、毎度毎度おじいちゃんの助言が胸に沁みる。そしてその言葉を受けたサクラがどう行動を起こすのか。その行動を受けた同期はどうするのか。現実ではあんな風にパブリックな場所で物言えないだろうとは思いつつ、きっとそう思えない故に彼ら応援したくなってしまうのだろうし、心を動かされるのだ。

これまで出会いの第1話は別として、234話とそれぞれ同期ひとりずつ担当回という形で描かれてきた。流れ通りなら次回は真剣佑回であり、同期全員との関係がポジティブなものに変わることになるのだろう。しかしだ。そのままその流れでいくとも限らないし、2019年までにはあと5回も残っている。おじいちゃんの体調も気になる。


変わることと変わらないこと


真っすぐブレずに突き進んでいるように見えているサクラも、回を重ねるごとに感情表現する瞬間が増えたり、ある癖が減ったりしている。ひとは誰かに、何かに出会えば、きっといいことも悪いことも何かしら影響を受ける。現時点ではサクラの夢への距離はどんどん遠ざかっている気がするけれど、それでもその裏では誰かを救っている。サクラは変わらないことで誰かを変えた。反対の視点で見れば、同期の彼らは気付かされて変わることで幸せになれたとも言える。変わりゆく日々の中で、変えてきたもの、変えずに貫いたもの。その軌跡を見届けていきたい。


橋本愛が社会人の作品


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