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2019年上半期ベスト映画





2019年上半期映画ベスト10


上半期の劇場鑑賞数は38本。この中から10作品も選ぶと、ほぼ4分の1を選ぶことになり、あんまり選りすぐり感でないなあという気持ちになってしまう。しかし、4つずつ分けて1位のみが突破するグループリーグと考えると、不思議と激戦を勝ち抜いたっぽくなることに気づいた僕。 そう、これは予選会。なので順位はつけておりません! 公開順(間違ってたらごめん) です。


公開順というか本当は鑑賞順って案外重要ですよね。やっぱりファーストインパクトは大きいとか、個人的なブームとか、世間の盛り上がり前に見るか、あとに見るか、上から見るか、横から見るかなどなど色々な要素が絡み合って響く、響かないありますから。あと、『ROMA』に関してはNetflix配信日が去年だった(はず)なので除外してます。あんまり詳しく書きすぎると、年間ベスト編で書くことなくなるので簡潔に





『マチルド、翼を広げ』 
9歳のマチルドは情緒不安定な母とって情緒不安定ってどころの騒ぎではないじゃないか! と思ってからはもう切ない。ちょっぴり不思議な家族のお話だと思ったら大間違いである。『フロリダ・プロジェクト』でもそうだけど、外から見たらきっとこれが正解とは分かっていても当事者の、しかも子供ということを思うと色々と難しいよな



『ファースト・マン』 
無口で無表情な船長をライアン・ゴズリングが演じるという、ゴズリングが超ゴズる、いわばゴズり映画であり、デイミアン・チャゼルもかなりチャゼってるのでチャゼり映画でもある。これを『ラ・ラ・ランド』コンビの新作!と煽るCMは詐欺ではないかと犠牲者へ思いを馳せるも、個人的には今作めちゃめちゃ良かったですね。人類にとっては大きな一歩でも、ひとりの人間にとってはどんな一歩だったのかと思わされる構成と、美しい月面。



『女王陛下のお気に入り』
結果的に女優3人みんながアカデミー受賞経験ありという超実力派映画みたいになったが、これは悪趣味映画です。不穏、不穏、そして不穏。からの、エマ・ストーンのおっぱい。タイプの違う美女2人に言い寄られて、どっちが好きか決められないよ〜というラノベ的欲求も満たされる作品ですね(違います) 現時点で今年の優勝候補だ。



『運び屋』 
インタビューとか見ると超おじいちゃんなのに映画では輝いて見えるイーストウッド。画面の中に立つだけで物語が生まれるとはこのことか。楽しいって感じでもないはずなのに、テンポ良くて軽くて楽しい映画だった。全然そんなことないのに。老いと孤独、仕事と家庭、差別と偏見。綺麗事では片付けられないリアリティを描く。



『スパイダーマン:スパイダーバース』 
OK?じゃあもう一度だけ説明するね!もうとにかくグウェン様が可愛い!(え、そこなの?) いや今更映像すげーとか言わなくてもいいかなと思うのでな。物語の浅さは観客にゆだね気味で、少しファンムービー感はあるのだが、オールスター大集合ってそういうものでしょ。「力には大いなる責任が伴う」という不変のテーマ。そして、誰もがそれぞれの世界でヒーローになれるのだ。



『バンブルビー』 
なんで僕はトランスフォーマーシリーズで感動しているのか…!トランスフォーマーなのに話が理解できるだと…? と、世界の危機と思春期の悩みがリンクする、まさかの爽やかな青春モノに驚きを隠せない。生足見せつけてバンT着るヘイリー・スタインフェルドちゃんが最高。『JUNO / ジュノ』エレン・ペイジ以来のバンT女優に命名したい。



『芳華 -Youth-』 
革命、戦争、高度経済成長。3つの時代に翻弄される若者の青春は、非情で切ない。戦争描写はハードで、正しくあろうとした人が必ず報われるとも限らない。でも、あの頃過ごした日々は眩しく鮮やかで美しい。語り部のあの子も美しい。印象的な水のシーンが多くて、とにかく美女がびしょ濡れ。



『愛がなんだ』 
上半期で1番感想戦が盛り上がる作品ではないだろうか。見た後そのままできれば安い居酒屋で話し込みたい感じの。正論なんて聞きたくないんだよばーか。Homecomingsの主題歌が爽やかで忘れそうになるけど、お願い! もうやめて! と相当ひりひりしましたよ。ほんと幸せになりたいっすね。それか追いケチャップされて金麦で流し込みたい。



『さよならくちびる』 
大いなる余白、詩的な余韻、猫みたいな小松菜奈、最高の小松菜奈! そして、そんな眩しい存在と組んだときの門脇麦の素晴らしさ。上半期で1番クズじゃなかった成田凌。物語的に大きなことは起こらない。だけど、画面から伝わること、行間から滲み出ること。カレー、煙草、そして音楽。何も起こらないように見えても、たしかに変化はあって、でも変われないものだってある。不器用な3人の旅の行く末に幸あれ。



『ホットギミック ガールミーツボーイ』 
俺たちの山戸結希。この言葉に尽きるくらい超山戸結希。山戸結希エッセンスの塊、原液。1人のヒロインに3人の男という構図はキラキラ少女漫画だが、見終わったあとそう思うひとは少ないはずだ。自分を見つけて好きを選ぶ。1つの答えが間違っていたとしても、きっと過ごした日々は美しいものだから。青春だな



21世紀の女の子』内での『離ればなれの花々へ』が1作品として数えるなら、予選突破していたと思う。




 - 上半期のヒロイン -

『チワワちゃん』
玉城ティナ

『バジュランギおじさんと、小さな迷子』
ハルシャーリー・マルホートラ

『女王陛下のお気に入り』
レイチェル・ワイズ

『キャプテン・マーベル』
マッケンナ・グレイス

『バンブルビー』
ヘイリー・スタインフェルド

『ダンボ』
エヴァ・グリーン

『芳華 -Youth-
チョン・チューシー

『アベンジャーズ / エンドゲーム』
スカーレット・ヨハンソン

『愛がなんだ』
岸井ゆきの

『ドント・ウォーリー』
ルーニー・マーラ

『ガルヴェストン』
エル・ファニング

『さよならくちびる』
小松菜奈

『ウィーアーリトルゾンビーズ』
中島セナ




ヒロインのほうが数が多くてどうする......。下半期もよろしくでーす



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