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2018年上半期ベスト映画


私が2018年上半期に劇場にて鑑賞した映画は40本。この数字が多いか少ないかは人それぞれだとは思うけれど、おそらく、一般人から見れば多いだろうが、映画好きから見れば少ない部類だろう。簡単に言えば、一般人にオタクと言われ、オタクににわかとディスられる。その境界線、ライン上。つまり俺がオフサイドラインなのである。


上半期を思い返すと、序盤は「君たちはどう生きるか?」と問われるかの如く、「君たちはどうバーフバるか?」という命題が席巻していたように思われる。バーフバらずにいられるのか、バーフバらない人生なんて、バーフバらない夜を知らない等とガイアが囁き、シヴァ神のお告げのまま映画館に向かった私であるが、圧倒的体験を得た代償に、バーフバリ以外の記憶を失ってしまったのだった。アカデミー賞関連の話題がでるまでのことは何も覚えていない。だから『キングスマン:ゴールデン・サークル』のことなど当然忘れてしまったのである。ああ、コリンファース死んじゃったっぽいけど続編どうするんだろうな!


しかし、ここで浮上するのが『バーフバリ 王の凱旋』2018年映画なのか問題である。皆様直面した問題かと思われるが、今回、私は確固たる意志のもと、公開日はギリギリ昨年ということで候補から外したのである。いや完全版は今年だ!という抜け道は無視。さすがのバーフバリとはいえヤシの木で壁を越えても、時は越えない。時間は不可逆。Time waits for no oneなのだ。


では、いよいよベスト10の発表...と思ったのだが、総数40に対し10も選ぶのは少し多すぎる気もする。そこで、少し減らしてベスト8にしようかと思う。サッカー日本代表は次勝てばベスト8ということで。あれ? そう考えると以下にあげる8作は本当にベストなのか、もっと優れたものがあったのではないか、以下に挙げる8つ以外に進出すべき国...いや失礼、映画があったのではという気になってしまう。まあ、ここはあくまで主観的ということで。ベストとは敢えて言わずに、2018年上半期の8本。(順不同)


1.『スリー・ビルボード』
2.『シェイプ・オブ・ウォーター』
3.『リメンバー・ミー』
4.『女は二度決断する』
5.『リズと青い鳥』
6.『タクシー運転手 約束は海を越えて』
7.『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』
8.『レディ・バード』
特別枠『恋は雨上がりのように』



以下、各作品についてひとこと


1.『スリー・ビルボード』
アカデミー賞で作品賞や脚本賞を獲りそうで獲らなかった本作だが、クリント・イーストウッドばりの強面フランシス・マクドーマンドの存在感とオレンジジュースの働きに拍手。最後、あんな粋なドライブあります? ハートウォーミングなハードボイルドという新感覚の境地に到達したストーリーが見事。


2.『シェイプ・オブ・ウォーター』
今年っぽい作品とも言える。エロもグロもあるのに美しい。愛は水のように無形であり、様々な形があっていいのだ。マイケル・シャノンが演じたあの責任者は本当に嫌な奴(彼もある意味では犠牲者である)だったし、18年上半期嫌な奴ランキングで『デトロイト』のあの警官の次くらいにランクインしそう。


3.『リメンバー・ミー』
いかなる時も正論で殴るのがディズニーである。「生きてる国で忘れられたら死者の国からも消える」という怖すぎる設定を、陽気な音楽と美しいCG、ドキドキワクワクの冒険とナオト・インティライミ似のお兄さんが忘れさせてくれる。しかし『万引き家族』後だと、この世界観について思うところもあるが、まあディズニーだからいいんだよ。


4.『女は二度決断する』
『スリー・ビルボード』でオレンジジュースがなかった場合の世界線の作品かもしれない。こちらも復讐に燃える母であるが、あちらの母に比べて美しくて格好良くて脆い。スタイリッシュなカットもあるが、テロの悲惨さと裁判での現実、そして差別と偏見が重くのしかかる。


5.『リズと青い鳥』
青い鳥はTwitterではないし、音楽は魔法ではないし、愛はおしゃれじゃない。だから、「ありがとう」だってありがとうじゃないのだ。感情だってひとつじゃないし、ずっと二人が一緒でもない。だけど、いつか目が合うかもしれないし、時々会いにくればいいし、物語はハッピーエンドがいい。


6.『タクシー運転手 約束は海を越えて』
まずポスターを見てほしい。こんな笑顔のソン・ガンホ演じるダメ親父が、真実を知ってどんどん真顔に、シリアスになっていくんだぜ...。実話ベースの話ながら、韓国映画らしく人の優しさに触れながらフラグを建て、終盤怒涛の畳みかけにアドレナリン全開まるでマッドマックス!のあとに、最高の嘘。


7.『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』
映画なので当然フィクションなのだが、こういった現実があることを知るという意味でも意義がある映画だ。賛否両論マジカルエンドもそうだが、親子の立ち振る舞い含めて賛否あってよい、考えることこそ大切なのである。子供達が明るく楽しそうに輝くほど、横たわる現実との対比がつらい。あと子供の目線カメラで撮るのはきっとカメラマンさんは腰が大変だったと思う。


8.『レディ・バード』
イケイケじゃないこじらせ気味女子高生の日常をテンポよく描いた青春物語。それでいて、母と娘の家族の物語でもある。僕はこの手の作品が大好きですね。17年が『スウィート17モンスター』なら18年は『レディ・バード』なのだ。シアーシャ・ローナンのピンクヘアはかわいい。いい具合にスカしてて痛くて恥ずかしいけど、結局本当はいい子感が伝わってくる愛おしいレディバード。愛すべきレディバード。しかし、父親。最後手紙回収してファインプレーしたっぽくなってはいるが、親と子が大喧嘩してる隣でソリティアやるなよ。


特別枠『恋は雨上がりのように
理由:小松菜奈が超かわいい



結局9本挙げたらほぼベスト10じゃないか。


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