2022年上半期映画ベスト10 2022 年上半期での劇場鑑賞した作品は 42 本。群馬の気温を少しだけ超えたということで、いや群馬が頑張りすぎなのよ。 42 に迫ってるのはやばいのよ。体調に気をつけて、避暑しに映画館へ行きましょう。順位まで決めてたら下半期に突入してしまい、明日晴れたらあの海へ行こうと言い出してしまいそうなので公開日順で発表します! 『ユンヒへ』 雪はいつまで降るのでしょう。岩井俊二『 Love Letter 』インスパイアで小樽を舞台にした韓国映画。白い吐息、たばこの煙。冬の小樽なので基本的に寒そうなんだけど、雪が降りしきるときの独特の静かさがそのままスクリーンに映されているかのよう。母にはかつて想い合っていた女性がいたようだから、何とかしてふたりを合わせよう!と行動する娘と叔母。それはある意味お節介ではあるけど、クライマックスでの、ふたりのことはふたりしかわからないし、それを外野が知ろうとするのは野暮。と言わんばかりの潔い描き方に優しさが詰まっていますね…。これは静謐で繊細なクィア映画であり、母と娘の物語なのだ。三世代の女性たちの、世代を超える連帯と愛が、まるで雪を溶かすようにあたたかい作品だったけど、雪のメタファーを考えると…。また雪は降るし、まだ雪は残っている。だけど、もう雪が自然に溶けるのを待ってはいられないのだ! あとは何より猫ちゃんがかわいいです。猫ちゃんはあたたかい部屋でぬくぬくするのがお仕事。いい働きでした。 仕事してる猫 『春原さんのうた』 上半期いちばん余白を堪能したし、いちばんマスクをつけたり外したりするシーンがあったし、いちばんどら焼きが食べたくなる映画だった。原作が小説や漫画でなく短歌『転居先不明の判を見つめつつ春原さんの吹くリコーダー』というだけあって、短歌を読み解くがごとく、その背景に想いを巡らせ、少ない手がかりを紐解くしかない。何があったかは聞かないし、何で泣いているかは言わない。でも優しく寄り添っている。風が吹いて、カーテンが揺れている。開かれた窓と、閉じている心。だけど、心に空白があってもお腹は空くし、どうしようも無く時は流れるし、時を経ても変わらないものもある。何でもない日々の積み重ね、思いの積み重ね。ただ日々は続くのだ。そんな日々をそのまま切り取りました〜みたいな風を装い