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『わたしは光をにぎっている』感想 レビュー 終わりがあるから大切にする。終わりの先の日々のために

(C)2019 WIT STUDIO / Tokyo New Cinema 『わたしは光をにぎっている』 これはまたキャッチーなタイトルである。『走れ、絶望に追いつかれない速さで』『四月の永い夢』に続く中川龍太郎監督最新作は物悲しさと優しさが同居する美しく普遍的な物語だ。 『四月の永い夢』感想記事  (ブログ過去記事) 四月の永い夢 Amazon primeじゃないけどモノローグだけでもいいから見て。 喪失と再生。松本穂香演じる主人公、宮川澪は両親を早くに亡くしている。祖母と湖畔の民宿を切り盛りしていたが祖母の入院を機に外に出ざるを得なくなる。そうして上京するのだが、上京先というのもまたレトロな銭湯だった。それは東京へ出れば何か変わる。劇的なものになるというのが夢物語だと言わんばかりの、現実的な進出だ。 公式ホームページにも「現代の魔女の宅急便」と記載があるように、澪は都会での仕事探しに挫折し、居候の現場である銭湯を手伝ううちに、常連客などと交流し居場所を見つけていく。岩が水にあてられて削れるように、角がなくなっていくというか、ほぐれていくというか、少しずつ馴染んでいく。そんな時の流れが丁寧で美しい。 しかしその後、この物語が流れ続けることの残酷さを見える。澪は、せっかく居場所になった銭湯が区画整理のため閉店しなければならないことを知るのである。 普通だと思っていたことは普通ではなく、永遠だと思っていたこともずっと続くわけではない。だけど永遠は続かなくても日々は続く。抗うことも出来ず、失われていくものを前に何が出来るのか。全てのものに終わりがあるからこそ「どう終わるかって大事だと思う」と澪は言う。 僕の過ごした小学校と中学校は廃校になって、今は別の大学と福祉施設になっている。高校はあるけど校舎は完全に建て替わった。だからきっと仮に出向いても、時の経過に感慨は感じても懐かしさは感じされないのではないか、と思う。 実際に今作品に登場した場所も幾つかなくなってしまったと聞く。東京オリンピックで再開発が進められている今、いやオリンピック関係なく多くの土地でこういったことは起こり続けていくのだろう。そう考えると、この作品で映像の記録として残した意義は大きく感じるし、だからこそ、あのクライマ

『同期のサクラ』レビュー 感想  面白いです。ひじょーに面白い

『同期のサクラ』 現在放送中の TV ドラマ『同期のサクラ』が面白い。僕の永遠のヒロインこと橋本愛さんが出演しているという贔屓目をなしにしても面白い。ひじょーに面白い。実に面白い。面白さを表す指針ではないけれど、先日放送の 4 話ではついに視聴率も二桁になったと聞く。さらにさらに 6 日までHuluやTVerやGYAOで 4 話まで無料放送が決まったのも聞く。流れ、来てます。じわじわ盛り上がってきてます。ブレイブブロッサムの次の桜は『同期のサクラ』です。まだ間に合います。わたしにはスマホがあります! という君も、わたしには時間があります! という君も、この三連休にぜひとも『同期のサクラ』いかがだろうか。 ※無料配信については 公式ホームページ をチェックだ 概要 1 話冒頭で、いきなり主人公のサクラが倒れているという衝撃のスタートをする本ドラマは、脚本が遊川和彦、主演が高畑充希という『過保護のカホコ』コンビである。過保護のカホコもそうだし、過去作のユカワも『女王の教室』とか、『家政婦のミタ』とか、あと『純と愛』もか(僕は見ていないドラマを先入観やネットの口コミで否定することはしません。しませんよ)まあともかく、そういったことから、なんとなーくクセが強そうな印象があるし事実まあまあ強いのだが、今作は比較的爽やかに楽しむことができる。 2019 年4月。病室で倒れているサクラを見守るサクラの同期たち。そこから過去へと遡る形で、サクラと出会った 2009 年の入社式からそこまでに至る 10 年間を、過去への回想という形で 1 話で 1 年ずつエピソードが描かれる。 1 話完結ながら、大きな流れとしてサクラの入院という着地点が明示されており、一度すっきりしながらも続きが気になるという構成だ。 登場人物 (公式ホームページより) 正直なところ、マイエンジェル橋本愛以外のみんなも好きな俳優であることも好きな理由かもしれない。みんな花の名前である。 ・北野サクラ:高畑充希 本作の主人公。サクラは離島の生まれで建築を愛し、建築に愛され…るかは分からない。ただ間違いなく彼女はジャスティスであり、公式ホームページでは忖度しないとの記載がある。 2019 年時点では脳挫傷で入